みなさん猫はどれくらい人間の言葉を理解していると思いますか？
完全に解明されているわけではないようですが調べて見ましょう！
猫の「言語理解力」についての研究は近年進展し、猫がどの程度人間の言葉を理解しているのかが少しずつ明らかになってきています。犬に比べて、猫は独立的で感情を隠すことが多いと考えられがちですが、実は猫も人間の言葉や声のトーンを認識し、反応する能力を持っていることがわかってきました。
1. 名前の識別能力
猫は、自分の名前を他の音や言葉と区別できることが研究で確認されています。2019年に日本で行われた研究では、20匹以上の猫を対象に、飼い主が猫の名前を呼んだ時と、名前に似た言葉や他の猫の名前を呼んだ時の猫の反応を観察しました。その結果、猫は名前が呼ばれると耳を動かしたり、視線を向けたり、声の方に近づくなどの反応を示し、明らかに自分の名前を他の言葉と区別できていることがわかりました。
2. 飼い主の声の認識
猫は、飼い主の声と他人の声を聞き分ける能力も持っています。別の研究では、猫が飼い主の声を聞いたときに特定の反応を示すことが観察されています。飼い主の声に対しては、耳をピンと立てたり、目を大きく開いたり、飼い主の方に向かう行動が確認されましたが、見知らぬ人の声に対しては反応が少なかったのです。このことから、猫は自分の飼い主を声で識別し、親しい人の声に特別な反応を示していることがわかります。
3. 声のトーンと感情の理解
猫は、単に言葉の意味を理解するだけでなく、声のトーンや感情のニュアンスも察知できると言われています。例えば、飼い主が怒っている声や、優しく話しかけている時の声の違いを敏感に感じ取り、それに応じた反応をすることが知られています。怒っている時には距離を置いたり、優しいトーンの声にはリラックスしたりと、猫は人間の感情を音声の抑揚から読み取って行動しています。
4. ジェスチャーと表情の理解
言語理解の一環として、猫は人間のジェスチャーや表情も観察し、それに基づいて反応する能力があります。例えば、人間が指差す方向に物があると理解し、そちらに注目する猫も多いです。また、飼い主が笑顔だったり、目を細める（猫の「ゆっくり瞬き」に近い行動）といったポジティブなジェスチャーには、猫がリラックスしたり同じように目を細めて応じることが観察されています。これは、猫が視覚的なサインを通じて感情を理解する一種のコミュニケーション手段です。
5. コンテクストでの理解
猫は、言葉そのものを単独で理解しているわけではなく、コンテクスト（状況や文脈）を理解していることが多いです。たとえば、「ご飯」「おやつ」などの言葉に対して特定の反応を示すことがありますが、それは言葉だけでなく、飼い主の行動や環境の変化、習慣と結びついて理解していると考えられます。つまり、猫は日常の中で繰り返されるパターンを学習し、言葉とその状況を結びつけているのです。
6. コミュニケーション能力の進化
猫がどのようにして言語理解力を発達させたのかについて、進化的な背景も興味深い点です。猫は人間との共同生活の中で、私たちとより良いコミュニケーションを取るために、私たちの声やジェスチャーに適応してきた可能性があります。飼い猫は、野生の猫に比べて人間の行動や音声に敏感に反応する傾向が強く、これは長い間、私たちと密接に暮らしてきた結果だと考えられています。
猫は私たちの言葉をある程度理解し、特に名前や飼い主の声、声のトーンを識別することができるとされているようです。
また、猫は声だけでなく、ジェスチャーや表情を含む視覚的なサインにも敏感で、これらを総合して飼い主とのコミュニケーションを図っています。
このような猫の言語理解力は、彼らが私たちの生活に深く関わり、より良い関係を築いていくために進化してきた結果とも言えるようですね。