猫は自分自身や他の猫の体を舐めてグルーミングしているイメージが強いと思います。

実際にどういう効果や意味があるのか調べてみました。

1. 清潔の維持

猫が最も頻繁に行うグルーミングの目的は、体を清潔に保つことです。猫の舌には、乳頭と呼ばれる小さな突起があり、この突起が櫛のように機能して毛の汚れや死んだ毛を取り除きます。また、被毛を舐めることで皮膚に自然に分泌される油が毛全体に均等に広がり、光沢のある健康的な被毛を保つことができます。

2. 体温調節

グルーミングは、猫の体温を調節する手段でもあります。猫は汗をかかないため、暑いときには被毛を舐めることで体温を下げようとします。舌で湿らせた被毛が乾くとき、蒸発によって体温が下がる仕組みです。

3. ストレス解消

グルーミングは猫にとってリラックス効果があり、ストレスを解消する手段でもあります。猫が緊張したり不安を感じたとき、グルーミングをすることで気持ちを落ち着けます。また、特に飼い主や他の猫がいる場面で、急にグルーミングを始める「転位行動」と呼ばれる現象が見られることがあります。これは、状況に対処するために気をそらす行動です。

4. 社会的な役割

猫同士が互いにグルーミングを行う「相互グルーミング」は、社会的な結びつきを強化する役割があります。特に、親しい関係にある猫同士で行われ、信頼や親しみの表現として重要です。親猫は子猫に対しても頻繁にグルーミングを行い、子猫の清潔を保つだけでなく、母猫と子猫の絆を深めます。

5. 健康のサイン

健康な猫は、1日のうち約30%をグルーミングに費やすと言われています。しかし、過剰なグルーミング(「過剰毛づくろい」)は、猫のストレスや皮膚疾患、寄生虫などの健康問題の兆候である可能性があります。反対に、グルーミングをしなくなる場合も健康の問題を示すことがあります。特に、高齢猫や関節炎の猫は痛みのために毛づくろいができなくなることがあります。

6. 毛球(ヘアボール)の形成

グルーミングによって飲み込まれた毛が胃の中で毛球(ヘアボール)を形成することがあります。これは通常、猫が自然に吐き出しますが、頻繁に毛球を吐く場合や消化器系に詰まる場合は、健康問題の原因となることがあります。毛球を防ぐために、ブラッシングをして抜け毛を取り除くことが推奨されます。また、毛球対策のキャットフードやおやつも利用できます。

 

グルーミングは、猫にとって清潔を保つためだけでなく、ストレス解消や社会的なコミュニケーションの手段としても重要なようですね。

ただ、過剰なグルーミングや逆にグルーミングをしなくなる場合は、健康状態をチェックする必要がありそうです。